一眼レフ:フルサイズとAPS-Cの違い比較

一眼レフを買ったり買おうと思って調べたりすると、フルサイズやAPS-Cという単語を見たりすることがあるかと思います。

デジイチを購入したことがある方だと、なんとなくフルサイズの方が高い、フルサイズの方が良い、なんてイメージを持つ方が多いかもしれません。

今回の記事では、具体的にフルサイズとAPS-Cがどのように違うかを簡単に説明したいと思います。

– 1. センサーサイズのはなし
– 2. センサーサイズが違うと、写真がどう変わってくるのか
– 3. まとめ

1. センサーサイズのはなし

センサーサイズというのは、その名の通りセンサーのサイズです。

なんのセンサーなのかというと、レンズから通って来た光を受け取るセンサーです。具体的には、光を電気信号に変える撮像素子をイメージセンサーと呼ぶことが多いです。

中判、マイクロフォーサーズなど、センサーサイズは大小いろいろあるのですが、今回はその中で、フルサイズとAPS-Cについて書いていきます。

フルサイズ(36mm×24mm)

35mm、フルサイズなどと呼ばれるセンサーサイズです。
ニコンではFXと言われます。36mm×24mmのサイズのセンサーが付いているカメラのことを呼びます。
APS-Cより約1.5倍大きい。

APS-C(23.6mm×15.8mm)

APS-C、ニコンではDXと呼ばれるセンサーサイズ。
キャノンは若干小さく22.4mm×14.9mmのサイズとなっています。

センサーサイズを比較した時に、フルサイズの方が約1.5倍ほど大きいので、APS-Cのレンズを使うときは「35mm(フルサイズ換算50mm)」などと計算されます。

2. センサーサイズが違うと、写真がどう変わってくるのか

センサーサイズの大きいフルサイズは、1画素あたりの面積が大きく、より多くの光を取り込めます。なので高感度、高画質な写真が撮れます。
ただ、センサーサイズ以外にレンズや画素数、処理エンジンなどが違うので、厳密に比較するのが難しいです。
なので今回は焦点距離のみの比較をしてみたいと思います。

例として、以下の画像を用意しました。f値はどれも 6.3 です。(あんまりいいレンズがなくて、ボケの差のわかりにくい6.3になってしまいました…。)

a. フルサイズ 焦点距離50mm
b. フルサイズ 焦点距離35mm
c. APS-C 焦点距離50mm
d. APS-C 焦点距離35mm

同じ焦点距離だけどズーム具合が違う
「a. フルサイズ 50mm」と「c. APS-C 50mm」
「b. フルサイズ 35mm」と「d. APS-C 35mm」

まず「a. フルサイズ 50mm」と「c. APS-C 50mm」を見比べてみましょう。

a. フルサイズ 焦点距離50mm
a. フルサイズ 焦点距離50mm<

c. APS-C 焦点距離50mm
c. APS-C 焦点距離50mm

続いて「b. フルサイズ 35mm」と「d. APS-C 35mm」を見比べてみましょう。

b. フルサイズ 焦点距離35mm
b. フルサイズ 焦点距離35mm

d. APS-C 焦点距離35mm
d. APS-C 焦点距離35mm

どうでしょうか。どちらもAPS-Cのほうがかなりグラスに寄っていると思います。

つまりAPS-Cというのは、画角が小さいので、常にトリミングされている状態、1.5倍ズームしているのと同じような状態になっているということなのです。

同じ焦点距離と書きましたが、フルサイズ換算して考えると、「APS-C 50mm(フルサイズ換算75mm)」「APS-C 35mm(フルサイズ換算50mm)」と、どちらも比較したフルサイスの写真の焦点距離より大きくなっていることがわかります。つまり実質「50mmと75mm」「35mmと50mm」の比較写真になっているわけです。

同じ画角だけどボケ具合の違う
「a. フルサイズ 50mm」と「d. APS-C 35mm」

パッと見でわかる違いとしてはボケの違いがあります。焦点距離50mmのレンズをフルサイズで撮影したもの「a. フルサイズ 50mm」と、焦点距離35mm(フルサイズ換算で50mm)のレンズをAPS-Cで撮影したもの「d. APS-C 35mm」では、フルサイズの方がボケます。
ほぼ同じ画角になっていますが、木の板と壁の境目を見てもらうとフルサイズの方がボケているのがわかります。

a. フルサイズ 焦点距離50mm
a. フルサイズ 焦点距離50mm<

d. APS-C 焦点距離35mm
d. APS-C 焦点距離35mm

これはAPS-Cの写真が、フルサイズで35mmで撮影したものを50mmの画角でトリミングしたのと同じような状態になっているからです。(35mmと50mmでは、より広角な35mmのほうがボケが少ないです。)

全然違う
「b. フルサイズ 35mm」と「c. APS-C 50mm」

もうこれは全然ちがいますね。
50mmをフルサイズ換算すると約75mmなので、40mmほど差があることになります。
フルサイズで考えると、ボケ具合は50mm程度なのに、画角としては75mmになっている状態です。

b. フルサイズ 焦点距離35mm
b. フルサイズ 焦点距離35mm

c. APS-C 焦点距離50mm
c. APS-C 焦点距離50mm

3. まとめ

このあたりは個人的に難しく混乱しやすい部分なのですが、フルサイズの方がセンサーサイズが大きく広いので広角になり、コップをAPS-Cと同じ大きさで撮影するには、約1.5倍望遠にする必要があるためその分ボケやすくなります。(レンズは広角より望遠のほうがボケやすいです。)

また、APS-Cの方がセンサーサイズが小さく、トリミングされているような状態で、その分望遠のように被写体が大きく写りますが、フルサイズと比べ、望遠になっているわけではないので、望遠な画角ですがボケにくい状態です。

APS-Cを使うときは、こう考える

ボケ具合はそのままで、画角だけ狭くなっているのがAPS-C。
例えば35mmのレンズを使うときは、ボケ具合はフルサイズの35mm程度だが、画角はフルサイズの50mm程度、と考えるとわかりやすいかもしれません。

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